Haswell + LynxPoint 2013年予定
TMDS/DPインターフェイスのCPU側移植?
2012/04~ PantherPoint + IvyBridge 22nm DX11 OGL3.0~ OCL1.1
CPU側PCIe3.0。 映像出力面のスペックは前作Couger+Sandyペアと変わらず。やはりデュアルリンクDVIをサポートする気はないようだ。
対応するチップセット※※ | CPU名 | IGP名 | 注釈 |
---|---|---|---|
Z77/75※, H77, B75, Q77 | Core i7-3770(K/T/S),i5-3570K | HD Graphics 4000 | |
Core i5-3570T/3550(S)/3450(S) | HD Graphics 2500 | 実行ユニットはHD4000の半分以下。 | |
Core i3-3240/3225/3220(T) | ↑(3225のみHD4000) | 以下はCPU2コアダイ。 | |
Pentium G2120/2100T | HD Graphics | Ivy版PentiumではQSVが解放されてるらしいよ? |
※CPU側PCIe分割 Z77は最大3ポート、Z75は2ポート。
CougerPoint系M/Bも、BIOS次第でIvyCPUを使える。
IvyBridgeの三系統出力について
Panther+Ivyペアであることは必須だが、他にもキーポイントが二点。
- FDI帯域分割による制約
CPUとチップセットを繋ぐ映像データ専用線FDI。前作のSandyペアでは、最大2.7Gb/sのレーンを四本ずつ用いることで、10.8Gb/s*二系統の帯域を実現していた。 今作では三系統出力が可能になったものの、前作ペアとピン互換としたため、三系統のうち二系統は帯域が半分になってしまう。
映像データがFDIを経由する以上、下流チップセット側に備わる映像出力回路がどんな高クロックで駆動できようとも、使用可能な画面モードはこのFDIがボトルネックになる。 モバイル版IvyではCPU側にeDPポートが一つ備わっているため、そっちで一系統分使うならFDIも二系統フル帯域で使えるのだが・・・。
ちなみにシングルリンクDVI(TMDS165MHz)の帯域は4.95Gb/s。 5.4Gb/sという数字は、一般的なディスプレイを使用するには十分だ。WUXGAパネルの一つ上、WQHDパネルとなるとリフレッシュレートを60Hzより下げなければ間に合わないが。
- チップセットのDisplay-PLL数
PLLとは、Phase Looked Loop:あるクロックを元にして、別のクロックを生成する回路のこと。三系統出力するならPLLも三つあれば万全なのだが、PLL数は前作から据え置きの二つ。
- 補足情報 (夏に出来た?FAQページから)
- サポートOSは、Win7かWin8。
- DPパッシブ変換アダプタの使用可否は、ボードメーカー(BIOS)に依存。DPアクティブアダプタは普通に使える。
- クローンと拡張デスクトップの混在は不可。
- Panther+Ivyペアのみ、DP/HDMI音声の三系統出力が可能。
- 補足情報2
- ドライバ2867以降で4Kラージデスクトップ(要DP接続二本)に対応。4K以外の解像度でも連結可能なのかどうかは不明ですが。
三系統出力できそうなM/Bリスト
IvyBridgeの立ち上げから三ヶ月、DisplayPort/Thunderbolt端子を複数備えたM/B製品がぼちぼち出てきたので一応紹介しておきます。
メーカー | 製品名 | フォーム | 初値 | DP/TH端子数 | 他の映像出力端子 | 注釈 |
---|---|---|---|---|---|---|
Asus | P8Z77-V Premium | ATX | 46 | 1/1 | HDMI | 初版取説、公式ページ(2012/07月末時点)とも三系統出力に関する情報は一切無し。値段が値段だけあって付属品は豪華。 |
↑ | Maximus V EXTREME | E-ATX | 40 | 1/1 | HDMI | 初版取説、公式ページ(2012/08月中旬時点)とも三系統出力に関する情報は一切無し。 |
Gigabyte | GA-Z77X-UP5 TH | ↑ | 25 | 0/2 | DVI,HDMI,アナログRGB | DVI端子と二つ目のTH端子は(THを映像出力として使う場合においては)排他。 |
↑ | GA-Z77X-UP4 TH | ↑ | 19 | 0/2 | DVI,HDMI,アナログRGB | ↑ |
↑ | GA-Z77MX-D3H TH | mATX | 14 | 0/2 | DVI,HDMI,アナログRGB | ↑ TH端子付きでは目下最安。 |
Asrock | Z77 Extreme6/TB4 | ATX | 19 | 0/2 | HDMI,アナログRGB | Ver1.1取説内では、同時出力は二系統としている。 なお、DP「入力」端子が付いているのが特徴で、これはビデオカードのDPをM/B上のTH端子経由で出すためのものの様。 |
M/Bだけで三系統出力可能とは言っても、型落ち新品ローエンドカードが3kを割っている現状では買うべき理由が見出しづらいところではあります。デスクトップ機ユーザーから見れば。 つーかMini-ITXクラスのちいサイズでやってくれ。
要調査情報
IntelのLinux版VGAドライバのRelease descriptionより。
Driver will support two HDMI displays and one any displays. In this configuration, both HDMI displays must use the same resolution and refresh rate.
TMDSでも、同じビデオタイミング要求する場合ならPLL共有可能なのか・・・?
☆資料
- Intel 7 Series Chipset Family Platform Controller Hub Datasheet April 2012
- 3rd Generation Intel Core Processors with Intel HD Graphics 4000/2500 Configuration FAQs for using three monitors
CedarView-Atom代替? NM70 + Celeron 847
PantherPointとSandyBridgeの組み合わせ。こいつらは元々エントリーノートPC用の位置付けだったんですけどね。2012秋から、ひっそりとM/B直付け売りが許された模様。同時出力は二系統まで。
機能 | B75 | NM70 |
---|---|---|
チップセット側PCIeポート数 | 8 | 4 |
レガシPCI直出し | ○ | × |
USBポート数/内3.0 | 12/4 | 8/0 |
SATAポート数/内6Gbps | 6/1 | 4/1 |
RAID | × | × |
2012/01~ Cedarview 32nm DX9 OGL3.0~
第三世代Atom。ようやくTMDS(DVI/HDMI)とDPを直接扱えるようになった。 RAMDAC350MHz、TMDS165MHzシングルリンク、DP1.1。 アナログRGBポート1、LVDSポート1、TMDS/DP共用ポート1、TMDS/DP/eDP共用ポート1の計4ポート?の内から二系統の同時出力が可能、とまあ2012年としてはごく普通の映像出力仕様となっている。 なお、DPでの音声出力には非対応。
CPU名 | IGP名 | 注釈 |
---|---|---|
D2700/2550, N2800 | GMA-3650 | |
D2500, N2600 | GMA-3600 | D2500はHDCP非対応? |
リリースから半年以上経っても正規のVGAドライバはWin7-32bit版だけ。他のOSでは標準VGAドライバを使うしかない。PowerVR・・・。
☆資料
Intel Atom Processor D2000 and N2000 Series Datasheet July 2012 Revision 003
2011/01~ CougerPoint + SandyBridge 32nm DX10.1 OGL3~
一般には、「第二世代Coreプロセッサ」と広報されているSandyBridge。CPU+GPU+ノースブリッジ統合チップ。映像出力インターフェイスは、前作Ibexpeak + Clarkdale同様にCougerPointチップセットが担当する。
出力面でのスペックはIbexpeakとほぼ変わらずの同時二系統出力。RAMDAC340MHz、HDMI1.4a、DP1.1a。アナログRGBポート1、TMDS/DP/SDVO共用ポート1、TMDS/DP共用ポート1、TMDS/DP/eDP共用ポート1の系4ポート。DPでの音声出力(2chリニアPCMのみ)が明示されている。 前作よりも、DP端子採用M/B製品が増えている印象。
対応するチップセット | CPU名 | IGP名 | 注釈 |
---|---|---|---|
H67/61, Q67, B65, Z68※ | Core i7-2600(K),i5-2500(K)/2405S,i3-2105 | HD Graphics 3000 | |
上記以外Core i7/5/3-2x00 | HD Graphics 2000 | 実行ユニット(シェーダユニット?)はHD3000の半分。 i3以下はCPU2コアダイ。 | |
Pentium G8x0/6x0, Celeron G5x0/440 | HD Graphics | HD2000からTurboBoostや、QuickSyncVideo,ClearVideoHD、InTru3D等を無効化したものらしい |
※Z68はCPU側PCIeの2ポート分割可。
また今作で、ついにCPU側PCIeとIGPの同時利用が正式に可能になった。従来不可能だった、CPU側PCIeのx16リンクビデオカードと、IGPのデジタル映像出力二系統を同時利用出来るようになったわけだ。(GPUベンダーの異なるWDDM-VGAドライバが共存不可なVistaOSでは、当然出来ない。Intelは1998年のi740以来、ビデオカードという形でVGAデバイスを提供してないしね。)
☆資料
- Intel 6 Series Chipset and intel c200 Series Chipset Datasheet May 2011
- 2nd Generation Intel Core Processor Family Desktop Datasheet Volume 1 Jaunuary 2011
2010/01~ Pineview 45nm DX9 OGL1.5~
CPU+GPU+ノースブリッジ統合の第二世代Atom。組み込み/ネットブック担当ということで、IGPが直接扱える映像出力はアナログRGBとLVDSに限定されている。一応それらの同時出力も可能。RAMDAC350MHz。
CPU名 | IGP名 | 注釈 |
---|---|---|
D525/510 (CPU2コアダイ) | GMA-3150 | |
D425/410 (CPU1コアダイ) |
☆資料
Intel Atom Processor D400 and D500 Series Datasheet December 2009
2010/01~ Ibexpeak + Ironlake(Clarkdale) 45nm DX10 OGL2.1~
IGP含むノースブリッジ(Ironlake)はCPUダイの隣・・・CPUパッケージ内にお引っ越し。RAMDAC等の映像出力回路は、サウスブリッジIbexpeakに内蔵される。
Ibexpeakは、アナログRGBポート1、TMDS(DVI/HDMI)/DP/SDVO共用ポート1、TMDS/DP共用ポート2の系4ポートを持つが、ノースとサウスを繋ぐ映像信号線FDIが二系統分しかないため、同時出力はやはり二系統となる。RAMDAC350MHz。TMDSはシングルリンク。HDCPも二系統分有効。
対応するサウスブリッジ | ノースブリッジ(CPU)名 | IGP名 | 注釈 |
---|---|---|---|
H57/55,Q57 | Core i5-6xx/i3,PentiumG | Intel HD Graphics | IGP面では、クロック以外の機能差別化はなされていない。 |
この世代までのIntel-IGPは、基本的にノース側PCIeとは排他動作となる。IGPとPCIeビデオカードの同時利用可能とする為、サウス側のPCIe-x1ポート群をx4リンクにまとめて、x16スロット形状で実装しているH57/55マザーが多い。
☆資料
- Intel 5 Series Chipset and Intel3400 Series Chipset Datasheet January 2010
- Intel Core i5-600, i3-500 Desktop Processor Series and Intel Pentium Processor G6950 Datasheet January 2010
2008/07~ Eaglelake 65nm DX10 OGL2.0~
PCIe2.0。 RAMDAC350MHz。HDMI1.3。デジタル映像出力DVI,HDMI,DPを直接扱えるようになったIGPノースブリッジ。アナログRGBポート1、TMDS/DP/SDVO共用ポート2(ノース側PCIeと信号線共用)の計3ポートから二系統の同時出力が可能。但し、デジデジ出力の可否はメーカー依存。HDCPは一系統のみ有効。
TMDSトランスミッタ分のコストが不要になったことで、DVI/HDMI端子を備えるM/B製品がグンと増えた。一応、従来のADD2カードとも互換性を維持している。 同一IGPアーキテクチャで製品族ラインナップを揃えるようになったのはここから。
ノースブリッジ名 | IGP名 | 注釈 |
---|---|---|
G45 | GMA-X4500HD | G45のみ、HD解像度動画の再生支援が有効とされた。 |
G43/41 | GMA-X4500 | G41は登場当初、デジタル出力がDVI一系統のみと差別化されていた。デジデジ出力可能なM/B製品が出てきたのは、09年以降。 |
Q45/43 | GMA-4500 |
☆資料
Intel 4 Series Chipset Family DataSheet October 2009
Broadwater/Bearlake/Lakeport/Grantsdale
PCIe1.x世代のIGPノースブリッジ。IGP名をGraphics Media Acceleratorと改め、DX9対応を明言。ビジネスユースだけでなく、ホームユースをも伺い始めた世代。
アナログRGBポート1、SDVO2ポートの計3ポート。ADD2カード対応。ディスプレイコントローラが二基に増やされ、二系統のマルチデスクトップ出力/画面回転表示が可能になったのはここから。
リリース年月 | ノースブリッジコードネーム | ノースブリッジ名 | IGP名 | RAMDACクロック | SDVOクロック | PCIe-Rev | 注釈 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
2007/06~ | Broadwater | G35 | GMA-X3100 | 400 | 270 | 1.1 | |
2006/08~ | G965 | GMA-X3000 | IGPとして初めて統合シェーダ(当時はプログラマブルシェーダと呼んでいた)を採用した野心作。 | ||||
Q965/963 | GMA-3000 | ||||||
2007/06~ | Bearlake | G33/31,Q35/33 | GMA-3100 | 350 | 225 | 1.1 | Lakeport後継のローエンド担当チップ。 |
2005/05~ | Lakeport | 945G | GMA-950 | 400 | 200 | 1.0a | Grantsdale後継。同系SKUの945GCは、第一世代Atomのチップセットでもある。 |
2004/06~ | Grantsdale | 915G | GMA-900 | ↑ | ↑ | ↑ |
☆資料
- Intel G35 Express Chipset Datasheet August 2007
- Intel 3 Series Express Chipset Family Datasheet August 2007
- Intel 965 Express Chipset Family Datasheet July 2006
- Intel 945G/945GZ/945GC/945P/945PL Express Chipset Family Datasheet Novemver 2007
- Intel 915G/915GV/915GL/915P/915PL/910GL Express Chipset Datasheet February 2005
Springdale/Brookdale
RAMDAC350MHz。アナログRGBポート1、DVO(165MHz)2ポートの計3ポート。ADDカード対応。Intel系で初めて二画面同時出力が出来るようになったIGP。とは言ってもクローン表示(Intel語:SynchronousDisplay)しか出来なかったのであまり意味は無かったが。
ノースブリッジ名 | IGP名 | 注釈 |
---|---|---|
865G | Intel Extreme Graphics2 | AGP8x |
845G | Intel Extreme Graphics | AGP4x |
☆資料
- Intel 865G/865GV Chipset Datasheet February 2004
- Intel 845G/845GL/845GV Chipset Datasheet October 2002
SDVO・ADDカードとは何か
- (S)DVO
- DigitalVideoOutの略。デジタル伝送インターフェイスの一種らしい。 TMDSトランスミッタ等の映像出力チップを接続することで、DVIやTV出力など様々な映像出力を実装できる。 Grantsdale以降は、パラレル伝送のAGPからシリアル伝送のPCIeベースになっているため、語頭に「Serial」が付く。
- ADDカード
映像出力チップが載ったカード型モジュール・・・要するに出力端子増設カード。IGP側の(S)DVOを利用したもので、M/Bのノースブリッジ側拡張スロットに挿す。AGPベースのものはADDカード、PCIeベースのものはADD2カードと呼ばれる。 日本国内での単体リテール販売はされず、(米Intel公式サイトでは通販が可能だったようだが)M/Bメーカーオプション品としての流通が主体。
グラフィック/VRAMチップ不要で、安価にユーザーの好きな映像出力を追加できる・・・という発想だったのだが、M/Bメーカー達がADDカードサポートについて足並みを揃えられなかった/積極的に広報しなかったこと、またビデオカードの世代交代/低価格化が早すぎたこともあって、メジャーにはならなかった。
メーカー製品名 | 発売年月 | インターフェイス/出力端子 | 注釈 |
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Intel Dual DVI ADD2 Card | ? | PCIe-x16/DVI-I | DualDVI仕様のADDカード。915G以降のノースで利用可能。どうしてもビデオカード分の消費電力を容認できない、という人々が用いた。 |
MSI MS-9904 | 0710 | PCIe-x16/HDMI | MSIの自作キット製品用。ブラケット無し。915G以降で利用可能? |
Asus R-DVI-ADD2 | 0605 | PCIe-x16/DVI-I | 一応、N4L-VM DH(i945GM)用ということになっているADDカード。DVI-I端子なもののアナログ出力は利用できない。LowProfile版も有り。M/B側アナログRGBとの同時出力可。 |
Asus DVI-ADD2 | 0411 | PCIe-x16/DVI-D | i915G用のADDカード。M/BアナログRGBとの同時出力可。 |
Asus DVI-ADD | 0308 | AGP/DVI-D+S端子+RCA | i865G/845G/845GE用のADDカード。 |
AOpen ADD Card | 0206 | AGP/DVI-I+S端子 | i845G用のADDカード。デュアル出力は不可? |