IDT系DP分岐チップを使ったビデオカード&アダプタ 2012/05版

2012年のKepler登場まで、1GPUあたり二系統しか同時出力できなかったnVIDIA-GeForce。 ライバルのAMD-Radeonは既に1GPUあたり六系統を実装しており、一部NV系カードメーカーはそれに対抗すべく、Displayport出力分岐/変換チップを利用したビデオカードを開発しました。 このページでは、2011年を中心に登場したそれら製品群の特徴を紹介しておきます。

ビデオカード一覧
製品名メーカー発売年月分岐チップ名チャネルAチャネルB注釈他
ライン1ライン2ライン1ライン2
GeForce GTX 460 3DPZotac1011VMM1300DL-DVIDP*3
GeForce GTX 560 MultiviewZotac1109VMM1402DL-DVIDPDL-DVIHDMI*2
GF-QUAD-DISP/4DVI玄人志向1109VMM1402 *2SL-DVI*2SL-DVI*2アナログRGB出力不可
GF MDT QUAD GRAPHICS DVI4Galaxy1109VMM1402 *2SL-DVI*2SL-DVI*2アナログRGB出力不可
GeForce GTX 550 Ti MultiviewZotac1110VMM1402DL-DVIDPDL-DVIHDMI*2
GF PGTX560TI/1GD5 MDT5Galaxy1111VMM1400DL-DVIDPMiniHDMI*4
GF PGTX570/1280D5 MDT4Galaxy1111VMM1400DL-DVIMiniHDMISL-DVI*3
GF PGTX580-OC/1536D5 MDT4Galaxy1201VMM1400DPMiniHDMI*3
GF-QUAD-DISP/GTX570/OC玄人志向1202VMM1400DL-DVIMiniHDMISL-DVI*3

※太字が分岐チップ下流に接続される端子群。
 同じ出力チャネル上ライン1/2はそれぞれ排他。

ビデオカード製品の特徴
  • GeForce-GPUのDP1.1(有効帯域8.64Gbps)一系統ないし二系統を、複数のポートに分割出力。
  • 分岐チップ下流に接続されるディスプレイに対して、nVIDIA 2D Surround風のラージデスクトップを設定可能。
  • 出力元のDP仕様を超えるラージデスクトップを得ることはできない。
セットアップ例 (基本的に60Hz-24bpp)
分岐チップ下流に接続されるディスプレイ数一台あたり解像度論理解像度一台あたりが要する最低限の帯域(Gbps)
41280*8002560*16001.47
31280*12003840*12002.21
41366*7685464*7681.51
41440*9005760*9001.87
31600*12004800*12002.76
31920*1080(50Hz)5760*10802.49
21920*12003840*12002.99
22048*11524096*11523.40
利点・懸念点

  • nVIDIA 2D SurroundはWin7OS限定だが、分岐チップを使った表示の場合は、XPやVistaOSでもOK。
  • nVIDIA 2D Surroundは同格のGPUを二つ使ったSLI環境を用意する必要があるが、上記ビデオカード製品の場合はカード一枚で済む。


  • 当たり前だが、分岐チップ下流に接続されるディスプレイの数が多いほど、それらディスプレイ一台あたりが担当しうる画面解像度は小さくなる。
  • 動画/ゲームのフルスクリーン表示において、ディスプレイ二台のラージデスクトップは、ディスプレイのベゼルが視界の真ん中に来てしまうため、非常に都合が悪い。

Radeon-Eyefinityでの二画面ラージデスクトップ表示例。こうやって静止画で見ると大したことないと思うかもしれないが、実際やってみるとベゼルが非常に鬱陶しく感じる。 動画/ゲーム用途では奇数台のディスプレイマジおすすめ。

☆資料
IDT ViewXpand Multi-Monitor Controller IC
http://www.idt.com/?catID=18694103

nvidia显卡多屏显示拼接输出如何实现的秘密方法?3屏/4屏/5屏显卡创造优于制造
http://www.pcidv.com/html/NewsList443.html

NOW Galaxy MDT Series 1080p Games Ready!
http://www.galaxytech.com/__EN_GB__/zt/MDT1080P/index.html

AMD Radeon HD 6800 Series Graphics Display Technologies October 2010
Zotac ZT-DP2HDについて

当記事2011/11の初稿でレビュー予告しておいた、DP出力をHDMI二画面に分岐するケーブルアダプタZT-DP2HD。 買いはしたんですが、結局のところ手持ちの機器では画面表示が安定しなくてレビューするというところまで行きませんでした。(´・ω・`) 
とりあえず気になったところだけ書き残しておきます。

利点

  • アダプタ本体と接続するDPケーブルは直付けではない(本体レセプタクルはMiniDP)ので、ケーブルの付け替えが可能。

不利点

  • ディスプレイ二台を接続しないと機能しない。(一台だけ接続して、DP to HDMIアクティブアダプタ代わりにはできない)
  • 設定できる論理解像度は水平スパン限定。例えばフルHDディスプレイを二台接続したとして、1920*2160のラージデスクトップを設定することはできない。

フルHD二台で回転表示をするとこうなる;;

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